マニアのメモ帳

アクリル絵の具

ストラクチャーなどの艶なし塗装

ストラクチャーなどの塗装やウエザリングにアクリル絵の具が便利だ。現在「リキテックス」など数社から発売されている。水で薄めることが出来、乾くと耐水性になり、色の耐久性も高い。有毒な溶剤を使わないので臭くなく、室内での作業も苦にならない。色数も多くエアブラシ用のソフトタイプもある。木や紙になら先ず問題なく乗る。食いつきの悪い材料には「ジェッソ」という下地材で下地処理をする。ジェッソは白色だがこれに絵の具を混ぜ、基底色とすることも可能だ。またメディウムもいろいろある。

プラスチックにも使えるが、表面がつるつるして、はじきやすいので水で溶かずにチューブから出したそのままを筆塗りするのがよい。ただし食いつきが悪いので爪で強くこすると剥がれるが、ラフな使い方をしない限り大丈夫で、自然に剥がれてくることはない。逆に気に入らなければ剥がしてしまうことが可能とも言える。金属にはラッカー塗装のほうが良い。

色には透明、半透明、不透明がある。不透明色のものが圧倒的に多いので基本的に不透明、半透明色を使い透明色はニュアンスを付けるときに使うと良い。透明色の色を生かしたい場合は下地に白あるいはジェッソを塗り、筆(刷毛)塗りではムラになりやすいのでエアブラシを使うのがよいだろうが、こうした色にはむしろ普通の塗料をお奨めする。

色の種別(リキッテクスの例)
透明色:ジンクホワイト、イエローライトハンザ及び、アクラ、クリムソン、ナフソール、アゾ、フタロが名前の一部につく色など
半透明色:ディープマゼンタ及びブリリアントが名前の一部につく色など
不透明色:チタニウムホワイト、その他の全ての色

アクリル絵の具は大きな画材店で売っている。町中の小さな店で扱っているところもあるが種類が限られるだろう。価格は色によって数段階ある。詳しくはカタログでご確認を、大きな画材店などに置いてある。

engine house

煉瓦の目地の表現

プラ製ストラクチャーの煉瓦の建物などそのままでは色も風合いもないのでウエザリングをする方も多いだろう。私はアクリル絵の具やパステルを使っている。シンナーなどの溶剤が必要なく手軽に使えるのが良い。

この煉瓦であるが目地を表現すると俄然実感的になる。(写真:上、ヘルヤンの機関庫)プラキットの場合、組み立てる前に目地を入れた方が作業がやりやすい。色は白または明るいグレーなどが良いだろう。チューブから出したそのままの濃さか、または水でほんの少し薄めた絵の具で煉瓦表面に大まかに筆塗りし、乾かないうちにボロ切れでふき取る。すると目地の部分に絵の具が残る。ちょっとコツがいるが何回かやれば感覚が掴めると思う。一遍に大きな面積を塗らずに少しずつやった方が安全だし巧くいく。どうしてもムラにはなるがそれがまた実感的だ。目地が出来たらパステルで煤けさせたり煉瓦の色を調節する。

バラストの固着

バラストの固着は木工用ボンドでボンドバラスト法を用いるのが普通であるが、アクリル絵の具のメディウムの一つ、「マットメディウム」も良い結果が得られたのでご紹介する。使い方はボンドバラスト法と同じで、適宜薄めたものに中性洗剤を数滴混ぜればOK。艶が出ないので感じが良い。また蒸機ののテンダなどに積む石炭の固着も同様にできる。濡れた表現など艶が欲しい場合はグロス(つや出し)メディウムを使うのも良いだろう。難点は木工用ボンドより高価である点か。


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