電車型コントローラーの改修
長年の懸案だった電車型コントローラーの改修工事が完成した。
主眼は小さすぎた計器盤の時計置きの拡大で、今回は内側にフェルトを貼った。そもそも筐体設計時に家にあった外国製懐中時計の寸法に合わせてしまったのが間違いで(この時は鉄道時計を持っていなかった)、後に鉄道時計の寸法に合わないことが判明したのだ。
当機は長期間運用機会に恵まれずそのまま物置の奥深くに保管されていたが、最近工作の機会が得られ漸くセイコーの鉄道時計が置ける本来の姿になった。
今回の改修はこれにて終了。・・・のはずだったがいろいろと不満点が気になりだした。見た目には分からないが各ハンドルの機械部分にガタがあり操作が不快なのだ。これを解消すべくマスコン回転部の軸受補強と、ブレーキハンドル動作角の制限機構の設置を行った。
思いのほか大がかりな工事になってしまったが落成当時の余剰端材でデッチ上げた。いずれも設計当初から考えておくべきもので、動作部分にはハンドルの大きさや長さもありテコの原理で意外と大きな力が掛るので堅牢な構造にしておくべきという教訓を得た。
さて、このコントローラーだが構想は古く、TMS257,258(1969/11,12月)号に103系タイプの製作記事が掲載されたのがきっかけで、それ以来電子式コントローラーに興味を持った。当時はタップ式か抵抗式のパワーパックが主流だったように記憶している。程なくして電子回路部を製作、実験を開始したが「電車型」の部分を作るのが難しく断念してしまった。
その後長期間のブランクがあり当時まだ新車だった783系電車をモデルにした現在の筐体が出来たのが1990年で、回路を一部変更して漸く日の目を見ることとなった。今から思えばよくこんなものを作ったものだが、この時は模型よりも電気に興味が移っていたのだろう。TMS542(1991/5月)号に当機の記事を発表している。
完成後2003年に部分改修、そして今回2017年の改修と14年程度のスパンで手を入れ、構想からかれこれ50年近い年月が経ち一応の形になった。