珊瑚模型C58形の改修工事
銀嶺機関区の撮影後、シゴハチのクランクピンが緩んでいるのを発見。何とか直そうと弄っているうちに第二動輪の位相が狂ってしまった。
このままではどうにもならず位相合わせからやり直す羽目になった。上下を分離、さらに台枠から動輪を抜いてロッド類も全て外しキット組立初期の状態に。
実のところ位相合わせは未経験で、ネットで見つけた記事を参考に治具をデッチ上げた(下写真)。70ミリL字金具を少し加工して組み合わせたもの。それほど精密な治具ではないが「電動蒸機」なのでピストンやバルブを正確に連動させるわけでもなく、「ほんの少しなら位相が甘くてもうまく動く」とのこれまたネットの記事を信じることにした。
位相合わせ治具。内側プレートの角は軸を受けるため丸く削ってある。
今回、輪軸やクランクピンの固定にロックタイト#263を使用してみた。説明書には180°C耐熱とあり、また200°C以上に加熱して取り外せとも書いてある。通常の鉛半田の融解温度は183°Cなので、クランクピンをロックタイト#263で動輪に固定後、ここにリターンクランクを半田付けしても手早くやれば恐らく大丈夫であろうと判断。
なお、耐熱温度230°Cのロックタイト#272という製品もあるが近所のホームセンターには置いておらず、とりあえず#263を購入した次第。
第二動輪を軸に固定後台枠に組んで連結棒を取り付け、転がりを確認したところ何とかスムーズに動くようで一安心。ところがバルブギアを取り付け下回りの試運転をしたところ、今度はバルブギアがぎくしゃくする。
原因究明にはかなり時間が掛ったがバルブギアの構造に問題点を発見。このキットに弁心棒はなくギアの相当する部分に突起がありエンジンブロックの凹部にほんの少し引っ掛けるという構造になっているが、当初からこの構造には問題があって例の突起部の長さが足りず0.4ミリ径のごく短い真鍮線を付けて対処していた。ところがどういう加減からかここが甘くなってバルブギア全体が下方に脱落する現象が起こっていた。
いずれにせよこの構造ではどうにもならず新たに弁心棒を設置することにした。約0.8ミリ径の洋白線?(ダイオードの端子の端材)があったのでこれを利用した。エンジンブロック側には1ミリの孔をあける。思わぬ大工事になった。
下回りを組みエンジンブロック内部の動きを見ると、ピストンはないものの弁の動きそのものでこれが実に小気味良い。上下を組んでしまうと弁心棒は外からほとんど見えないがバルブギアの取付位置は弁心棒で固定されているのでギア全体も安定して滑らかに動く。これが正常な動作なのだ。
(左)外側から弁心棒はほとんど見えない、(右)発電機排気管は付け根のところを半田付け。
他に発電機排気管と汽笛が外れているので再取付。過去に接着剤での取付を試みるがどうにも弱く、今回は半田付けすることにした。塗装した本体への半田付けは手際の良さが要求される。本体側はマスキングテープ等で周囲を十分に養生しておく。
排気管は0.5ミリ真鍮線でこの端面をイモ付けすることは到底不可能なので、0.7-0.5細密パイプを被せて接着面積を大きくした。固定治具をあれやこれや試したが如何せん取付場所が狭くいずれもダメで、結局ピンセットで持ちながら付けるのが最良の方法だった。
汽笛は1ミリほどの直径で、イモ付では強度が得られないのでここに0.5ミリの孔を浅くあけて0.4ミリの真鍮線を挿す。台座にも0.5ミリの孔を浅くあける。
いずれも少量の予備半田をした後少量のペーストを使用して手早く半田付。と書いてしまうと簡単なようだが、何回もやり直しの末漸く所定の位置に納まった。取付後軽く鑢仕上げ、フラットブラックでタッチアップ。粗も多いが走ってしまえば分らない・・・だろう。
兎にも角にも何とか走るようにはなった。第二動輪の非絶縁側が少々歪んで付いてしまったのは残念だが、もう少しいろいろな線路条件で走らせて様子を見ようと思う。
こちらの記事も併せてご覧ください。国鉄C58形(標準テンダー)