岸屋川トンネル
レイアウトストーリー
文:矢岳真幸
あれは今から30年以上も前のことだろうか.新幹線がまだできたての頃、面白いところがあるから行こうと友人に誘われて、春休みに西の方まで行った.新幹線の切符は我々学生には高いので鈍行の夜行列車を使ったのだが意外に混んでいて良く眠れなかった記憶がある. | ||
そこは岸屋川トンネルという線路の上を川が流れている天井川の短いトンネルだった.全国でも天井川のトンネルはそう多くはない.それにここは国鉄線に寄り添ってローカル私鉄もトンネルで抜けているというオマケつきなのだ. | ||
土手の上は桜の花が満開でちょうど見頃だった.このあたりの名所だと聞いたが、僕たちは桜の花には目もくれずに、トンネルを通過する列車に夢中になって次々とシャッターを切った. | ||
ここは本線なのでいろいろな列車がやって来て飽きることはなかった.ときどき私鉄のほうにも路面電車型の電車が顔を出す.もちろんそれも撮った. |
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夕暮れまで写真を撮って.これまた鈍行で帰京したのだが、ただ一つ残念だったのは、列車に夢中になりすぎて、土手の上の川の様子を撮り損ねたことだ. | ||
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このレイアウトは模型仲間で統一規格を設け、長さ750mm、幅300mmのもの2台で構成される可搬式モジュールのひとつとして製作したものです. | ||