珊瑚模型店500形(A8)ベースキットの製作(2)
ボイラー
定石通り針金で巻いて仮固定し下部を半田付け。煙突とドームの裾は肉厚が目立たないようにヤスって滑らかにする。煙突はネジ止めとなっているところを半田付けとした。
安全弁台座下部のRはボイラーのRより大きく全く合わないのでR頂部をヤスって調整したがピッタリには出来ず隙間を半田で充填した。たまたまこのロットだけの問題かもしれない。
上下取付板(6-5)はボイラーと煙室を接合後に取り付け。
公式側サイド
非公式側サイド
キャブ
板状のものを箱に組むのがなかなか難しい。蒲鉾板に角材をキャブ幅に接着した簡単な治具を作りクリップで挟み位置決めをした。説明書の断面図通りに組んだが石炭口(4-24)と床板との間に隙間が生じたので手持ちの端材で調整した。
キャブ上端は鴨居の如く1ミリ角線で補強した。屋根は取り外せるようにし、内側に燐青銅板の爪を付けキャブ鴨居に引っ掛ける。逆さまにした位では外れないが屋根を持って車体を持ち上げるのは厳禁。昇降口下端も同様に補強。
バックプレート(5-13)の床部(タイヤハウス?)両側は隙間が空くので端材で塞いだ。またキャブ前部も適当な板材で塞いだ。
説明図中の部品表4にはミスがある。
床板
床板の砂箱下部、欠き取りの一部(ロッド上部の当たりを逃げるためか)が大きすぎて隙間が空いてしまう。ロッドが当たらないことを確認後0.4mm厚の帯材で塞いだ。
自連換装後の姿とするため端梁を加工した。バッファ座は削り落とし穴は2ミリの真鍮ネジで埋めたがリベットが犠牲になってしまった。
別のキットで使用せずに余剰となっていたダミーカプラーのポケット上部を切り出してカプラー上部に張り付けディテールアップ。連結器開放テコ受けはエッチングキットの余り物。
ケーディーカプラーは#58のナックルに#233(30番台用)ポケットを組み合わせたのもがピッタリだった。
上回り組み立て
弁室と砂箱は組み合わせに要注意。側面図、前面図を参照。弁室は側板(5-3)の内側に上板(5-1,5-2)を、砂箱は側板(5-6)の上に上板(5-7,5-8)を付ける。こうした小物の組み立てには、端材の20mmアルミアングルを直角治具として使用した。アルミが適度に熱を逃がすので具合が良い。
最後にここまでそれぞれ組み立ててきた上回り一式を一つにまとめる。ボイラーとキャブを接合後サイドタンクに砂箱を取り付け、弁室を取り付けるが、これらの下面がピッタリ揃わなければならない。またそれぞれの幅にも注意を要する。一番難しい工程だった。水タンク内板(4-21)の梁部は補重の邪魔になるので組み立て後に切除。
追加工事その他
シリンダー下部にドレンバルブを適当な端材で追加。
ブレーキシュー(1-9)はどうしても緩んでくるので下端に孔を開け左右を0.7mm真鍮線で結び0.5mm真鍮線のブレーキロッドで連結した。しかし西武5号機の実物写真を見るとブレーキロッドが担いバネの下を通っていることが判明。そのようにしてみたところブレーキシュー(1-9)の長さがほんの僅か足らないので手持ちの端材でデッチ上げてしまったがレール上面との間隔がシビアになってしまった。レール間に障害物があると閊えてしまう。
煙室、ボイラー上部、弁室前部、後部タンク内に補重、総重量250グラムとなった。砂箱内部にも少し積めそう。
最後に問題点が一つ。左カーブで左側先輪タイヤ側面がバルブギアの1φビス(2-30)に当たりショートする。塗装後にビス裏側にエポキシ樹脂を塗ろうかと思う。
ナンバーは5を付けたが西武5号機ではない。このモデルはダブス製の500形で西武5号機はナスミスウイルソン製の600形、外観上の相違はサイドタンクハッチの位置と非公式側にあるブロワパイプの有無が目立つ。メーカーズプレートの形状や位置も違う。
いくつか問題点もあったがこれもキットの醍醐味と思う。これにて生地完成。
こちらの記事も併せてご覧ください。珊瑚模型店500形(A8)ベースキットの製作(3)