M YATAKE
矢岳真幸の脇道・寄り道・まわり道
鉄道懐古篇

circle大山と電車
私が3、4才前後のころ、東上線の大山付近に住んでいたことがある。当時の大山で思い出すのは駅前にあった丸安百貨店と東上線の電車だ。場末の大山に百貨店と驚く向きもあろうが、今で言うスーパーマーケットのはしりの様なものであったように思う。円の中に安の字のマークが印象的で覚えているが、店の様子などは全く記憶にない。そういえば当時は池袋に丸物百貨店というのもあった。このマークも円の中に物である。丸井も昔は円に井の字のマークだった。

今でもそうであるが大山駅は立地条件が悪くホームはカーブしていてそのすぐ脇が踏切になっていた。そこで電車を見る機会があった。東上線の電車の色はオレンジ色に黄色の帯を巻いていた。中折式の方向板を付けていたように記憶している。電車の形式は当時幼児であった私が知る由もないが、今から思うと78系と国鉄から来た63系だった。貫通式のと非貫通の蒲鉾型の電車があったのを記憶している。8000系はまだなかった。

なぜそのような電車の形状を記憶しているかというと、私は幼い頃から絵を描くのが好きで、暇さえあれば親が買い与えた藁半紙に鉛筆で電車の絵ばかり描いていたからだろう。床下の構造などわからず車体の下にすぐ線路を描いていた。また左側通行であることも知らず、その時々に応じて線路に進行方向の矢印を書き加えていた。手の記憶というのは長年経っても忘れないようである。

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