デラックスロマンスカーと日光軌道 |
念願叶ってやっとデラックスロマンスカー(DRC)に乗った。小学3年の頃だったと思う。家族で日光へ行ったのだ。だがどうしたわけかDRCについては、デッキと客室との仕切ドアが黄色いガラスだったことぐらいしか覚えていない。日光線は途中単線区間があった。合戦場のあたりだったと思う。そういうことに関しては子供のくせに異常なほど関心を持っていた。当時はまだ片線が復活していなかったのだ。 日光では日光軌道が走っていた。乗りたいとせがんだが例によってあっさり却下、タクシーであちこち回った。大人はよほどクルマが好きなのか。恨めしく小さな電車を眺めた。私の親は鉄道には全くと言って良いほど興味もなければ理解もない。今になって思うと鉄道マニアのパパが羨ましい。もっとも奥さんは大変だろうが・・・。結局日光軌道も乗らないうちに廃止されてしまった。今は東武博物館に車両が展示されている。この車両には近年になって岡山で乗ったが、それも今はもうない。 帰りもDRCの予定と聞いていたが、どういうわけか計画が変更され快速の自由席に乗るハメになってしまった。私はがっかりした。4両のうち半分が指定席だったが、指定席は売り切れだったらしい。車内は超満員で終点まで立ちんぼだった。車両は綺麗だったので6000系であろう。散々な日光だった。私は日光が嫌いになった。あれから三十数年後、廃車直前のDRCに乗ったが、かなりくたびれていて少年の頃憧れていた往年の輝きは失われていた。 |